<サイトレイアウト タイトル=1台の業務PCと外付けUSB・HDDでバックアップしている会社 説明=重要データが1台のPCにあり、USBメモリや外付けHDDへ手動コピーしている会社向けに、世代管理、接続状態、媒体紛失、復元テスト、少額での改善順序を整理します。>

← 記事一覧へ

バックアップ・復旧PC・スマホ・媒体

公開: 2026/9/13 ・ 更新: 2026/9/13

1台の業務PCと外付けUSB・HDDでバックアップしている会社

この状態なら読む

次のような会社を対象にします。

この構成でも、PC故障への備えとして意味があります。

ただし、バックアップ媒体があることと、必要な時点へ実際に復旧できることは同じではありません。

このページでは高価なバックアップ製品を前提にせず、今ある外付け媒体をどう扱えば復旧可能性を上げられるかを整理します。

最初に確認する4つ

今の運用を次の4つで確認します。

  1. 何日前の状態へ戻れるか
  2. PCとバックアップ媒体が同時に壊れないか
  3. 媒体を紛失したとき中身を読まれないか
  4. 別のPCへ本当に戻せるか

「毎日コピーしている」「HDDが2台ある」といった情報だけでは、この4つには答えられません。

単なるコピーと世代を持つバックアップは違う

同じ場所へ上書きするコピー

たとえば毎日、業務フォルダを外付けHDDの同じフォルダへ上書きしているとします。

PCが物理故障しただけなら、そのコピーから戻せる可能性があります。

一方で、次のような場合は問題があります。

最新状態を1つだけ残す運用では、「昨日」「先週」「月初」といった過去時点へ戻れません。

世代を分ける

同じ媒体を使う場合でも、バックアップ先を日付や世代で分けると、過去時点へ戻せる可能性が上がります。

例としては次のような形です。

必要な世代数に正解はありません。

「どこまでデータを失ってよいか」と「破損へ気付くまで何日かかりそうか」で決めます。

バックアップ頻度は「毎日が正解」ではなく、失ってよい作業量から決める

たとえば1週間に1回しか更新しない台帳なら、毎時間バックアップしても効果は限定的です。

逆に、毎日大量に入力する会計・受注・顧客データを週1回しか保存していなければ、最大1週間分を失う可能性があります。

まず次を決めます。

データ 更新頻度 失ってよい最大量 バックアップ頻度の考え方
毎日更新する会計データ 毎日 1営業日まで 少なくとも営業日単位を検討
月末だけ確定する資料 月次 前月確定分は必須 月次確定時の世代を残す
数年保管する契約書 低頻度 原則失いたくない 作成・更新時に確実に複製
一時作業ファイル 高頻度 再作成可能 重要度に応じて対象外も可

バックアップ対象を何でも増やすのではなく、再作成できないデータを優先します。

外付けHDDやUSBをつなぎっぱなしにしない

バックアップ媒体をPCへ常時接続すると、コピーは楽になります。

しかし、PC側の誤操作やマルウェアからバックアップ媒体へ到達できる時間も長くなります。

NCSCは、外付けHDDやUSBメモリ等のバックアップ媒体をネットワークへ恒常的に接続したままにしないことを示しています。

小規模な運用なら、たとえば次のようにします。

  1. バックアップするときだけ接続する
  2. コピー完了を確認する
  3. 正常に取り外す
  4. 普段はPCから分離して保管する

自動バックアップを使う場合でも、「常時書き換え可能な1台だけ」に全てを依存しない構成を考えます。

2台の媒体を交互に使うだけでも事故を分けやすい

追加費用を抑えたい場合、同じ外付け媒体1台へ毎回上書きするより、2台を交互に使う方法があります。

たとえば、

という運用です。

これだけで全ての事故を防げるわけではありませんが、最新バックアップを作る操作そのものの失敗で、直前のコピーまで同時に失う可能性を下げられます。

可能なら一方を別の場所で保管し、火災、浸水、盗難等でPCと両媒体を同時に失うケースも分けます。

USBメモリと外付けHDDは「持ち出せる情報資産」でもある

外付け媒体はPC故障への備えになる一方、簡単に持ち運べます。

そのため、バックアップを増やすほど紛失・盗難時の情報漏えい経路も増えます。

IPAは、機器やデータを組織外へ持ち出す場合、紛失に備えてUSBメモリ等の外部記憶媒体へ適切な暗号化を施すことをルール例として示しています。

少なくとも次を決めます。

暗号化しても、鍵やパスワードが同じケースに貼ってあれば意味が薄れます。

媒体と復旧情報の管理は分けます。

「PCが壊れた」ときに戻せるか試す

バックアップファイルが見えるだけでは、復旧成功とは言えません。

NCSCは、バックアップからファイルを復元する方法を把握し、期待どおり動作するか定期的にテストすることを示しています。

最小の復元テスト

重要度の低いテストデータで次を確認します。

  1. バックアップ媒体を別PCへ接続する
  2. 必要な世代を見つける
  3. ファイルをコピーして開く
  4. 文字化けや破損がないか確認する
  5. 必要なアプリで読めるか確認する
  6. 復元に必要なパスワードや暗号化鍵が使えるか確認する
  7. 手順と所要時間を記録する

会計ソフト等では、単一ファイルをコピーするだけでは復元できない場合があります。

その場合は利用製品の正式なバックアップ・復元手順を確認します。

ファイルだけでなく「再開に必要なもの」を確認する

1台PC中心の会社では、PC故障時にデータが残っていても業務を再開できないことがあります。

たとえば次です。

何をバックアップするかと、何を再設定するかを分けます。

手動コピーの失敗を減らす

手動運用で問題になりやすいのは、「やったつもり」です。

次のような簡単な記録でも改善できます。

日付 対象 媒体 実施者 結果
9/1 会計・共有文書 A 担当者 成功
9/2 会計・共有文書 B 担当者 成功

必要ならファイル数、容量、最終更新日時等も確認します。

重要なのは記録を豪華にすることではなく、「最後に正常なバックアップを取ったのはいつか」を答えられることです。

1台PC中心なら、まずPC本体とバックアップ媒体を同じ事故から分ける

よくある状態は、

です。

これはPCのディスク故障には有効でも、盗難、火災、浸水、ランサムウェア、誤操作等では同時に影響を受ける場合があります。

少額で改善するなら、まず次を順番に検討します。

  1. 接続しっぱなしをやめる
  2. 世代を分ける
  3. 2媒体を交互に使う
  4. 片方を別の安全な場所へ保管する
  5. 持ち出す媒体を暗号化する
  6. 定期的に別PCへ復元する

いきなりNASや高価なサービスを買わなくても、事故の共通点を減らせます。

クラウドを追加する場合も「置けば終わり」ではない

外付け媒体に加えてクラウドを使う方法もあります。

ただし、個人アカウントへ重要データを置いたり、共有設定を誰も管理できなかったりすると、新しい問題が増えます。

クラウドを追加する場合も、

を確認します。

「USBよりクラウドが安全」「クラウドよりHDDが安全」と一律には決めません。

バックアップ対象を絞る

容量不足や作業時間が問題になる場合、まず重要データを分類します。

最優先

状況に応じる

バックアップ対象外にできる場合があるもの

対象を決めると、必要な容量と時間を見積もりやすくなります。

目標とする状態

高価なシステムを導入することが目標ではありません。

次の質問に答えられる状態を目指します。

外付けUSBやHDDを使うこと自体が問題なのではありません。

1台のPCと同時に失わず、必要な時点へ戻せて、媒体そのものを失っても被害を抑えられる状態にすることが重要です。

根拠・一次情報

外部事実は、資料トップではなく実際に確認した原典内の位置へ戻れるようにしています。 リンク先が対応している場合は該当文言を直接表示します。

  1. NCSCは、重要なファイルのバックアップについて、復元方法を把握し、期待どおり動作するか定期的にテストすることを示している。

  2. NCSCは、外付けHDDやUSBメモリ等のバックアップ媒体をネットワークへ恒常的に接続したままにしないことを示している。

  3. IPAは、機器やデータを組織外へ持ち出す場合、紛失に備えてUSBメモリ等の外部記憶媒体へ適切な暗号化を施すことをルール例として示している。